内臓脂肪とは

皮下脂肪との違い

脂肪の中には、血液中に存在するコレステロール遊離脂肪酸に加え、細胞として溜まっている体脂肪があり、体脂肪は皮下脂肪内臓脂肪に分類されます。

 

 

 

皮下脂肪は、ヒアルロン酸やコラーゲンなどを含み、肌の水分量に大きく関わる真皮の下にある体脂肪です。いざという時のために、エネルギーをため込んだり、保温したりするという役目があり、妊娠や出産には欠かせません。病気を直接引き起こすきっかけにはなりませんが、あまりに増えすぎると体重増加につながり膝への負担が大きくなるリスクがあります。

 

 

 

一方内臓脂肪は、腹筋の内側にあたる腹腔内に溜まった体脂肪です。内臓への衝撃を緩和したり、内臓の位置を保ったりする役割がありますが、必要以上に増えると、病気を引き起こす可能性があるのです。

 

 

 

内臓脂肪は代謝が活発という性質をもっているため、増えやすく落としやすいのが特徴。そのため、意識すればすぐに落とすことができます。しかし、落としやすいということは、血中に溶けやすいということでもあります。余分な脂肪が血中に溶けだし溢れてしまうと、高脂血症など様々な病気を引き起こす原因となりかねないのです。

内臓脂肪がつきやすい人

内臓脂肪は、女性と比べると男性の方がつきやすいといわれています。これは、筋肉量が女性より多く、筋肉のエネルギー源として内臓脂肪が多くなってためです。

 

 

 

また、かつてスポーツをしていたが、今は運動をしていない人、食事が不規則な人、ダイエットでリバウンドをした人などは、内臓脂肪がつきやすいといわれています。さらに、内臓脂肪は皮下脂肪に比べると増えやすいという性質があるため、皮下脂肪が多くて肥満体型の人も、内臓脂肪が多いといえるでしょう。

 

 

内臓脂肪検査で分かること

 

内臓脂肪検査を受けると、

 

・内臓脂肪面積

 

・皮下脂肪面積

 

・全脂肪面積

 

・体周囲長

 

・BMI

 

上記の項目が数値で出てきます。

 

 

 

内臓脂肪面積は、100?より数値が大きくなると、生活習慣病のリスクが高まるといわれています。

 

 

 

BMIは肥満度を表す国際的な指標で、低体重(痩せ)18.5未満〜肥満(4度)40以上まで6段階に分類されます。このうち18.5〜25未満は普通体重となっており、BMI22が病気になりにくい理想的な数字となっているのです。BMIは体重(Kg)÷(身長m×身長m)で計算できるので、気になる方は計算してみては?

内臓脂肪検査で防げる病気

 

 

メタボリックシンドローム

内臓脂肪症候群とも呼ばれるメタボリックシンドローム。いくつかの異常や病気が起こっている状態をさします。具体的には、内臓脂肪が腸の周りや腹腔内に溜まることで、高脂血症や高血圧など生活習慣病がいくつか現れている状況。この状況は、動脈硬化を急激に進行させるため、心筋梗塞や脳梗塞のリスクも高まります。平成18年の調査では、40〜70歳の男性の5割、女性は2割がメタボリックシンドロームだということが分かっています。

 

 

 

メタボリックシンドロームは、ウエストサイズが男性は85cm以上、女性は90cm以上であることに加え、血清脂質、血圧、血糖の数値が2項目以上異常を示すと診断されます。ウエストサイズが基準に満たなくても、内臓脂肪面積が基準値の100?以上の場合もあるため、内臓脂肪検査で正確な状態を知る必要があるのです。

メタボリックシンドロームによる病気

メタボリックシンドロームは、いくつもの異常が同時に起こっている状態だと紹介しましたが、多くの場合自覚症状はあまり見られません。さらに、コレステロールや中性脂肪、血圧、血糖値などの数値もあまり悪くないことが多いため、気付かず対策をしないまま過ごしてしまいがちです。その結果、動脈硬化の進行が早まる危険性があるのです。

 

 

 

動脈硬化になると、血管の壁が硬く厚くなり、血流が悪くなります。その結果、血管の壁にコレステロールが固まって血管を塞ぐため、その先に酸素や栄養が届かなくなって細胞が死んでしまうのです。この状態が起こる場所によって、脳梗塞心筋梗塞となります。つまり、メタボリックシンドロームは命に関わる病気を引き起こす状態といえるでしょう。

内臓脂肪の検査方法

内臓脂肪の検査が受けられるのは何科?

健康診断での血液検査の結果によって、体脂肪の数値に異常が見られた場合は、まず内科を受診するとよいでしょう。内臓脂肪の検査と同時に、必要な治療も受けることができます。

 

 

 

定期的な検査など、異常がない状態での検査を受ける場合は、呼吸器内科や消化器内科、循環器内科など、内科とついている科が病院内にいくつかあれば、一般内科や代謝科が適しています。そういった科がなければ、内臓脂肪は動脈硬化と関連があるため、循環器の病気を診察している医師に相談するとよいでしょう。

 

 

 

また、病院によっては内臓脂肪検査を外来診察に設定していることも少なくありません。検査はCTスキャン装置を使用して行いますが、CT装置を導入していても、内臓脂肪検査に対応したソフトを導入していない場合もあるので、事前にHPや電話などで確認しておくと安心です。人間ドッグでの検査も可能です。

検査方法

内臓脂肪検査は、CTスキャンという機械装置を使用します。検査時にはベッドのような撮影台に仰向けに寝転がり、おへその高さの断面をエックス線で撮影します。その際、1秒ほど息を止めるよう指示があるはず。その画像から内臓脂肪や皮下脂肪を分離計測し、正確な数値を出していくのです。

 

 

 

検査に必要なのは、腹部の画像1枚なので、多くても数枚撮影するだけで終了します。その時間は、入室から退室まで5分ほど。短時間でできるので、気軽に検査を受けられそうですね。

 

 

 

エックス線で撮影すると聞くと、被ばくが気になるかもしれません。内臓脂肪検査は、多くても数枚の撮影のため、被ばくの心配はほとんどないといわれています。また、脂肪量を測定するのみの撮影であれば、他のCT検査と比べると少ないエックス線での検査が可能という説もあるようです。

 

 

 

病院によっては、内臓脂肪のみを計測できる専用装置を設置している場合があります。放射線を使用しない装置なので、エックス線が気になる方は設置している病院を探してみるのもいいかもしれません。

内臓脂肪の検査に必要な費用

 

内臓脂肪のCT検査を行う場合、病院にもよりますが2000円〜4000円くらいが相場のようです。モノクロよりもカラーの方が1000円〜数千円費用がかかる傾向です。中には1000円での検査を行っている病院もあるので、事前に確認してみましょう。

 

 

 

病院によっては、内臓脂肪のみを測る専用装置を導入している場合があります。CT検査よりも安く検査を受けられ、健康保険の対象外ですが、約1000円での検査が可能です。

 

 

 

人間ドッグで受ける場合は、日帰りコースだと3万5000円〜5万円、1泊2日コースだと5万円〜10万円が相場といわれています。

内臓脂肪の結果を受けての改善法

食事

内臓脂肪を減らすためには、食生活の改善が欠かせません。基本的には、腹八分目を意識して食事を摂るようにしましょう。ゆっくりいつもより多めに噛んで食べると満腹感が得やすいですよ。

 

 

 

体脂肪の元になるブドウ糖を作り出す炭水化物は、控えめに摂るとよいでしょう。どうしても食べたい場合は、冷やして食べると消化されにくくエネルギーになりにくいでんぷん質に変化し、腸内環境を整えるといわれています。

 

 

 

油ものもできれば避けたい食べ物。摂るのであれば、青魚やアマニ油、えごま油などに豊富なオメガ3系の油がおすすめです。酸化しやすいため、新鮮な魚を選んだり、加熱せずドレッシングとして油を使ったりと食べ方に気を付けましょう。

運動

内臓脂肪を落とすための運動には、有酸素運動がおすすめです。有酸素運動をすると、最初は血中の糖質や筋肉にあるグリコーゲンをエネルギーとして主に使い、しばらく続けていると、血中の遊離脂肪酸が使われ始めます。運動開始から20分ほど経過すると、血中の糖質や脂肪が不足し始めるため、今度は体脂肪をエネルギー源として使い始めるのです。体脂肪は皮下脂肪よりも内臓脂肪の方が活発に代謝されるので、まずは内臓脂肪から分解され使われていきます。

 

 

 

例えば、ウォーキングを行うのであれば、早歩きくらいのペースを目安に、心拍数が上がるように行います。30分〜1時間程度を目標に行いましょう。短時間で全身運動ができ、消費カロリーの高い水泳もおすすめです。

 

 

 

内臓脂肪を落とすためには、続けることが重要です。1ヵ月やってみたけれど、それで終わってしまっては、効果が期待できません。急にやめてしまうと、余計内臓脂肪がついてしまう可能性もあるので気を付けましょう。

 

 

まとめ

最近お腹が出てきたけれど、太っただけだし数値も悪くないから大丈夫だと安心していませんか?もしかすると、内臓脂肪が増えすぎて、身体の中で異常が起こっているかもしれません。体の外からは見えない部分だからこそ、検査を受けて早めに異常に気付き、対処していきたいものですね。